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③ 「九州力作野菜・果物プロジェクト共同体」 (代表 イオン九州株式会社) 第3回ジャパンSDGsアワード副本部長(内閣官房長官)賞 受賞

目次

九州力作野菜・果物プロジェクト共同体とは?

取り組み内容:アミノ酸を作るときの残渣を主人公にした関わる人全員がwinになる農業プロジェクト

バックキャスト

相場に負けない野菜を作ることによって日本の農家を稼いでもらい守る

・誰一人取り残さない

日本の食を守るなら循環型の取り組みで肥料の自給率を上げることが重要

地球規模

海外でも勝負できるようなブランドに

偏愛

自分が望んでいない与えられた環境でも本気でチャレンジすることで情熱を育てることができる

亀田
亀田

おはようございます! 聞こえますか?

福山さん
福山さん

バッチリです! 今日は楽しくおしゃべりできたらと思います。 よろしくお願いします!

亀田
亀田

こちらこそよろしくお願いします!

九州力作野菜・果物プロジェクト共同体 (代表:イオン九州株式会社) とは?

九州力作野菜・果物プロジェクト共同体とは、イオン九州株式会社と味の素株式会社および農業団体など約60の企業・団体が共同して低炭素の活動を通して九州の農業を元気にするバリューチェーンを力作(構築)することで、関係者すべてが利益を享受し、持続可能かつ拡大再生産が可能なビジネスモデルを確立しているプロジェクトです。

第3回ジャパンSDGsアワードにて、SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞

イオン九州株式会社
低炭素の活動を通し九州の農業を元気に「九州力作野菜®」・「九州力作果物®」プロジェクト共同体

https://www.aeon-kyushu.info/static/detail/ontinuation

アミノ酸を作るときの残渣を主人公にした関わる人全員がwinになる農業プロジェクト

亀田
亀田

まず最初は、今回ジャパンSDGsアワードを受賞した取り組み内容について改めてお伺いさせていただきたいです!

福山さん
福山さん

今回の主人公は、佐賀の味の素工場で製造しているアミノ酸を抽出した時に残る「P菌体」という菌なんです。

(発酵菌の残渣) そのP菌体自体には、栄養成分であるアミノ酸をはじめ、活性炭が入っているんですよ。

福山さん
福山さん

産物として出るP菌体というのは、何も処理をしない状態だと、水分が50%ぐらいあるので、畑に撒くことはできないです。水分が50%あると紙粘土紙粘土みたいなもんですよね。笑 それを農家の方に撒いてくれって言っても、「直接撒けない」と言われてしまうので、どうしたかというと、これを乾燥させて、チップにして肥料メーカーに販売したんですよ。

亀田
亀田

なるほど。 味の素工場でアミノ酸を製造する時に出るいらないものであるP菌体は、元々は味の素の中でチップとして活用されていたんですね。

福山さん
福山さん

はい、そうなんです。もともとP菌体は、土づくりにおいて有効である事がわかっていました。 環境に悪影響がある事なるべく避けたいと意識をしていたのです。

福山さん
福山さん

そういう中で、味の素さんからどうにかできないかっていう相談がありました。 僕たちも商品の中でプライベートブランドや、契約農家さんはたくさんいたので、50%の水分が含まれているP菌体をどう活用すればよいかを農家の方にお聞きしたところ、「堆肥と混ぜて乾燥したらどうじゃ」と言われたんです。 実際に、50%水分のP菌体を堆肥に混ぜれば、堆肥の微生物の働きで発酵熱が発生し、P菌体の水分が飛び、3か月ぐらいになると完熟堆肥になるのです。

亀田
亀田

ほお! 堆肥に混ぜて一緒に乾燥させることによって、コストや、二酸化炭素排出を抑えてはどうかというアイデアですね。

福山さん
福山さん

あとは、その堆肥を使用しておいしさ、糖度がどう変わるのか…。

結果、使用した畑からとれた農産物の糖度・うまみ成分がアップした事がわかりました。この分析は、味の素様が実施しました。

福山さん
福山さん

その他のイオン九州の契約産地でもこのような実験をしたのですが、8割から9割ぐらいは、良い結果が出たのでブランドを作ろうと言うことで、九州力作野菜・果物というブランドが生まれた事につながりました。

亀田
亀田

なるほど、ありがとうございます。力作野菜のその堆肥にP菌体を混ぜたとおっしゃっていたんですけれども、この農法自体は、どんな農法に分類されるんですか?

福山さん
福山さん

これは、有機栽培とかではなくて、通常の商品ですね。

オーガニックを作る方はですね、実は、全国でもまだ5%もいないんですよ。 オーガニックになかなか取り組みづらいというのがあってですね、オーガニックももちろん強化する必要はあるんですけど、まずは、力作野菜ブランドを作ってP菌体を共有していくということから始めています。

亀田
亀田

環境に良くて野菜も美味しくなる肥料を使うというところから始めていくということですね。 現在どれぐらいの農家さんに使っていただいてるんですか?

福山さん
福山さん

使っているのは、200名ぐらいですね。 売り上げはそんなにないですけど、現時点で11億円ぐらいある感じですね。

亀田
亀田

売り上げだけ聞くと凄いなってなるんですけど、やっぱりイオン九州さんからするとそんなに大きな売り上げではないっていう認識なんですね?笑

福山さん
福山さん

そうですね。ただ、これだけの農産物を育てるためには、それだけの生産者さんが必要ということになるので、一気に拡大していくのも難しいと感じています。

亀田
亀田

今後の動きに期待ですね! なかなか農家の方を巻き込んで、新しいことに挑戦してもらうのは難しいイメージがあるのですが、どうやって巻き込んでいったのですか?

福山さん
福山さん

やっぱり熱量が必要ですね。 直接会いに行って説明をさせていただくということが大事ですね。 コロナの時はそれができなくて、生産量拡大に伸び悩みましたが、このプロジェクトが開始してから7年間ずっと徐々に伸び続けています。

福山さん
福山さん

あとは、農家の方に、P菌体使用する事でメリットが多くある事をしっかり説明しなければなりませんし、単純に協力していただきたいとお願いすだけでなく「九州力作野菜・果物として、栽培していただきましたら、契約数量を設定し、契約栽培になります。」というような説明をセットでする事も大切だと思います。

亀田
亀田

素晴らしいですね。 環境に良いからやろうよ!ということだけを押し出さずに、きちんと関わる人のことを考えて、全員をwinにするようにするのは、農業以外の事業でも大事ですし、SDGsにおいても、サステナブルな取り組みとしてやっていくときに重要なポイントですね。

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